癒されたい夜はジャック・レモン「おかしな夫婦」に 乾杯♪爆笑喜劇映画レビュー

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この地方も湿気でジメジメ、雨はシトシト。アツさも近づき体調もいまひとつ。そんな日の夜は自分の好きなことに浸るにかぎる。愛してやまない音楽や読書。そして大好きな映画で別世界ヘ直行~。


とくにちょっと沈んだ夜も、疲れた気分の日も、一瞬にして楽しく癒してくれて今宵ひとときの優しさを与えてくれる俳優がいる。


ー彼の映画を、ソファのクッションにもたれながらケラケラ笑い、時にシミジミしながら見るのが大好き。


その人の名前はージャック・レモン!


アカデミー賞8回ノミネート、そのうち受賞2回。戦後最高の喜劇俳優といわれた名男優だ。


しかしー多すぎる立派な肩書きもなんのその。


いつでも誰かの隣にいそうな、平凡だが、心の一生懸命さをカテにガンバル優しさ。非凡なサラリーマン役を演じたら右に出る人いないくらいの親しみやすいキャラでもお馴染み。


愛すべきジャック・レモン。 最近、彼のずっと見たかったDVDを2つGET♡


「幸せはパリで」 と 「おかしな夫婦」 どちらも中年期レモンの油が乗り切っていた頃の作品。お人形さんのようなドヌーブと共演したロマンチック・コメディ「幸せなパリで」楽しみにしずきで見るのは後日後回しに。


というわけで、、、脚本ニール・サイモン&ジャック・レモンコンビとこればコレは笑わずにいられないだろうと「おかしな夫婦」の鑑賞を♪


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「おかしな夫婦」1971年米


個人レビュー ☆☆☆☆   ☆=20点 ★=5点


栄転で田舎からニューヨーク本社へ乗り込むご機嫌のサラリーマン夫婦が、当地で散々な目にあう辛辣な社会諷刺を織り込んだ小市民コメディ喜劇。監督はアーサー・ヒラー、オリジナル脚本は「おかしな二人」のニール・サイモン、音楽はクインシー・ジョーンズがそれぞれ担当。出演は「おかしな二人」「幸せはパリで」のジャック・レモン、「雨にぬれた舗道」のサンディ・デニスなど



都会を訪れた田舎者夫婦が地元とのギャップに翻弄される姿を描いたコメディ。本社に栄転となったサラリーマン・ジョージは、妻と一緒にニューヨークへ乗り込む。夢を膨らませるふたりだったが、不幸な偶然が次々と重なる珍道中劇…!


田舎のオハイオ州から、都会ニューヨークへ向かう夫婦のドタバタ珍道中爆笑コメディだ。


お腹いたくなるほど、笑い転げてしまう、おかしさでいっぱい。


なぜ、脚本家ニール・サイモンはこんなに普通の人たちの日常を切り取って書くのが上手いのだろう。


オハイオに暮らすジョージ。彼はニューヨーク支社副部長に抜擢されるかもしれないと面接に向かうために、妻と一緒に颯爽と飛行機に乗りこむ。


ニューヨークではディナーを食べ、ゆっくりすごす計画もあり意気揚々。


希望の面接にのぞむはずだった…!のだが、、


なんと飛行機の着陸変更。カバンはなくなる。ホテルは時間切れでキャンセル。ストで交通全面ストップ~一難去ってまた一難。ジョージ夫妻は無事にニューヨークで辿り着けるのか…。ハラハラ、ドキドキ、日常でありそでなさそうな愉快な喜劇。


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オハイオのマイ・ホームに住むジョージ家族。子供2人に犬一匹。おばあちゃんらしき姿まで。充分とウラヤマシイ。けれどジョージの夢はニューヨークへの一家移住。


支社の副課長になる話に大喜びした彼は、いよいよ明日ーその面接を受けることになり目指すはニューヨーク。夫婦ふたりはウキウキ空港へ→


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いよいよ大都会へ向けて出発。笑顔ホクホク。今夜向こうへ着いたら豪華ホテルでのディナーも予約済み。


妻グエンを演じるのは、「バージニア・ウルフなんかこわくない」で、すでにオスカー助演女優賞を獲得していたサンディ・デニス。


決してとびきりの美人ではないけれど、こ早口レモンに対してフワリと天然ボケ気味のカワイイ奥さまを演じて息もぴったり。


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…が、なんと! ニューヨーク到着目前!空港は他飛行機渋滞。「たぶん30分空の上で巡回します」


しかも霧にも覆われ、5時間も空中ぐるぐる。こういうことは、ニューヨークの空の上ではよくあることらしい…。


(ホントかいな笑!?)


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結局ケネディ空港には降りれず、隣のボストン空港に乗客全員降ろされるハメに。ゴッタ返した空港の荷物受取はご覧のとおり(#^.^#) こりゃ壮絶。


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その挙句~~天然妻 「カバンどっかいっちゃった」


夫 「ウソだろ・・・・おい~あれに面接に着るスーツも全部入ってるのに…」


ニール・サイモン脚本の登場人物には当たり前だがプラピもトム・クルーズもいないのだ。当時でいえばレッドフォードやドロンなんか日常にいるワケない(笑) そう、あれはあくまでも映画の中のスターたち。


ここにはそんなカッコいい「ヒーロー」がいない変わりに、『われわれ』がいるのですw


ますます親近感わいて楽しいことこの上ないのだ・


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すったもんだの末、カバンもないまま、とりあえずニューヨーク行きの列車に乗ろうと全力で走るも寸前で乗り遅れ。


駅員おじいちゃんから「次の駅で列車は10分停車する。タクシー飛ばしてすぐ追いつけ!」とアドバイスされ、トイレに行こうとしていた妻をつかまえジョージはタクシーまで走る走る!!


「次の駅まで全速力で行ってくれーーーー!!」


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やっとこさ列車に追いついた時はすでにヨレヨレ(^^;  しかも列車は寸止めくらった人たちで超満員。やっと座った食堂車・・。


今夜のディナーをあてにして、朝からまったくなにも食べていないジョージにボーイが明るい笑顔でツメタイひとことが…。


「あいにくメニューは売り切れ。残っているのはクラッカーとオリーブだけですニコッ」 


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ニューヨークについたものの町は全面ストによる公交通マヒ。雨に打たれ、なんとか予約してあったホテルにたどりついた2人。


しかしフロントは…「すいません、お客様。いまはもう午前0時をまわっておりまして~ほかの方がすでにお泊りに・・」アワワ~
ちなみに奥さんのサンディがなぜ片目を抑えているかというと、片方だけ「つけまつ毛」が落ちちゃっているから( ^ω^ )芸が細かい。


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道行けば、清掃員、収集車もスト状態なのでゴミの山。


奥さん「あら、こんなにゴミの山が。大きいわねぇ」


レモン「…ゴ、ゴミ?はぁ」 2人の絶妙な間は爆笑ものです。


ジャック・レモンの映画を見てていつも思うこと。


顔から滲み出る人間らししい表情の取り方、片方だけ「ナヌッ」という顔をする面白いバランス、これはアメリカのみならず、日本の喜劇俳優や役者たちに大きな影響を与えたのではないのかしら? 


庶民ならではの身のこなし、慌てっぷり、怒りっぷりが演技してるとは思えないほど絶妙。


そのあとも夫婦は恐喝にあい、無一文になってしまう。パトカーに乗せられやっと睡眠のとれる保養所まで送り届けられることになったと、、


…思ったとたん!


パトカー自体が強盗にあい(笑うしかない) 2人は深夜のニューヨーク、セントラルパークの公園に置き去りにされてしまう。食べてないからフラフラ、靴もぐちゃぐちゃ、見てて気の毒。だけど笑ってしまうという。


そして翌朝ーセントラルパークの公園で目をさましたジョージ。妻グエンがいない。どこだ?必死に探し回っていたとき、遠くから彼女の姿が!


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「あなた~やっと、やっと、ポップコーンが落ちてたの見つけたわ~」


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「おお~グエン~ありがとう~!!!」 家を出てからクラッカーしか食べてない2人です、、からね。


 ああ~これで食事にありつける~夫婦愛よ~


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ーすると同時に、どっかから、そのポップコーン狙って走ってくる犬の姿が~~


このあとどうなったのか、、想像つくと思われますが、これから見る機会のある方にバトンタッチお任せしましょう~


この下りサイコー!お腹がよじれるくらい笑ってしまった。劇場でも大笑いが起こった場面と想像します。


それからも2人のニューヨーク珍道中は続く。最後ジャック・レモンは面接を無事受けることができるのでしょうか~


ジャック・レモンは都会に憧れる地方サラリーマンのジョージをせせこしまく、お手のもので演じて軽快。


面接時間に間に合わなければならないので、その都度トラブルの元となった相手に「名前を教えろ。こんな目にあわせて。訴訟してやるー」と繰り返すのもアメリカ的。横でニコニコしながら、どこか浮世離れした妻演じるサンディ・デニスもかわいらしいこと。


ともかく時に言い合い、喧嘩もするのだけれど、なんだかんだ手を握り合い、助け合う。出世=家族を守るための2人。夫唱婦随。仲睦まじいファミリー向け映画としても楽してしまう。


面白いのは、実際当時は(いまもかもしれないけれど)ケネディ空港が着陸寸前で迂回したり、70年代前後という背景からデモやストなどもあちこちで起きていたというから、リアリティな空気感も伝わってくる。


もうひとつ、映画からの大切なメッセージ。


じつは大都会に住むことはそんなに良いことばかりじゃないよ。セコセコ時間に追われトラブル続き。それより大いなるアメリカの田舎こそ、じつは最高のオアシスなのではないか」 風刺コメディのような結末にもなっていてなかなかシュール。


アーサー・ミラー監督はビリー・ワイルダーのような緻密で完璧な喜劇傑作というよりニール・サイモンの人間劇をカラっといかした、見る人すべてがカウチに座り、ポップコーンをほおばって週末楽しむ明快なコメディを創りあげている。


80年代にも「大災難P.T.A」という災難が災難が呼ぶという爆笑コメディがあったのだけど、作品の原点にもなっている。


それにしても、やっぱりジャック・レモンは上手いのですよね。コレは太鼓判。


わたしはー昭和の日本の喜劇役者たち、渥美清、由利徹、三木のり平、フランキー堺なども大好きなのだけれど、彼らは芸が秀でていて笑いも泣きも平等に演じられるゆえの天才だと思っている。しかも、かわいらしく!


その点からいってもージャック・レモンの演技は神髄であります。


じつは映画好きになったばかりころは、むしろジャック・レモンが少し苦手だったのだ。


ーなんという大バカ者。ジャック・レモンはすでに大ベテラン。「ミッシング」や「チャイナ・シンドローム」などシリアス作品に出演している大御所。逆に上手すぎるおじいちゃん俳優の領域だった。勝手に恐れ多さを感じ敬遠していたほど。


20代の時に見た「アパートの鍵貸します」は面白いとは思ったものの、その時点ではピントこず。いま思うといったいなにを見ていたのだろうと不思議なくらい。バカモノ~~と自分で自分を叱咤したい~!


若い時は瞬発力も早い。その反面、無知だから作品の持つ本来の意味をとらえ切れていなかった。


人生の経験不足に他ならないなあと実感。人生にはどうしようないこと。他人よりグッと我慢して引き下がる案件が社会にあること。サラリーマンの悲哀など若いわたしが分かるわけなどなかったのです。


いい大人になってから鑑賞した「アパートの鍵貸します」のなんて素敵に完璧に素晴らしかったこと。チャーミングの極み。それ以来、ジャック・レモンやシャーリー・マクレーン、、ワイルダーも多くのみなさん同様、愛すべき大好きに俳優になっていったのだ。。


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いつしか集まったジャック・レモンのDVD♡「お熱いのがお好き」はCSで放映された時の字幕版と愛川欽也さん吹替えヴァージョンがあるのでそれも保存。これからも見続けていきたい。


いまは断捨離中。DVDもBlu-Rayも少しずつ処分している。以前もっとも所有していた時期。数えたら一番多くBlu-rayやDVD所有していた俳優陣がオードリーとジェームズ・スチュワートほぼ全部。次いでロバート・デ・ニーロ、ダスティン・ホフマン、ローレンス・オリヴィエだった。ジャック・レモンもそうだけれど大好きなお気に入りの映画や名作モノはなかなか処分出来なさそう。


いろいろ悲喜こもごもある世情。時に虚しくなったり悲しい気持ちになる時もあるけれど、こんなに楽しい気持ち、少しでも忘れずに過ごしていければ。


ハッピーなニュースが入ってくるとウレシイ! 幸せなことを感じることの方が負のストレスを抱える心よりずっと楽だとつくづく思うこの頃です。


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Comments 2

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ギターマジシャン  
ジャック・レモン

ジャック・レモンは、チャップリンとはまた違った形の喜劇俳優というイメージで、何よりも、中学生の頃にリバイバル上映で見た「グレートレース」が大好きでした。

夢中で見ていたアニメ「チキチキマシン猛レース」は、これのパクリだったのかと気づき、キザトト君はトニー・カーティス、ミルクちゃんはナタリー・ウッドで、ブラック魔王はジャック・レモンとまんまでしたし、コロンボを演じる前のピーター・フォークが間抜けな部下で、アニメではケンケンになるのも妙に納得できたり。
(キザトト君を広川太一郎、ミルクちゃんを小原乃梨子が吹き替えたのも、プロデューサーは、わかってらっしゃるなあと)

高校の友人は、「アパートの鍵貸します」に涙して、将来は俳優になって、自分も感動を与えたいと興奮していましたが、自分は、それこそ30歳過ぎくらいに深夜番組で見て、その良さにようやく気づいたという具合です。

「おかしな夫婦」は見たことがなかったですが、「ホームアローン」のような良い意味でのバカバカしさに溢れていて、こうした作品は何も考えずに楽しめて好きです。
(コメディのお約束のように、最後にホロっとするのでしょうか?)

2020/06/14 (Sun) 18:48 | EDIT | REPLY |   
m-pon5
mimi-pon5  
Re: ジャック・レモン


>ギターマジシャン様


こんにちは(^-^*)
楽しくて懐かしいコメントありがとうございます♪

ジャック・レモン素敵な俳優さんでしたよね^-^
演技が上手いのはもちろん、見ているだけで癒される。
恋する男性をあんなにチャーミングでカワイイと思ったのは「アパートの鍵貸します」のレモンが初めてだったような気がします。


>「チキチキマシン猛レース」~~!

ギターマジシャンさまの言われる通り思い出してみるとソックリですねー!キャラがそのまんま。よくきづかれましたね。サスガです~キャラ造詣ばかりか顔の骨格までも似てます(笑)

「グレートレース」はドタバタ楽しい冒険映画でしたね。しかも出演者がお気に入りの俳優ばかり。
まあ~これまたジャック・レモンにくっついてたおかしな部下ピーター・フォークがまた超キュートで♪
この役が「チキチキ~」ではケンケンになったとはシャレ効いてますぅぅ~

「アパートの鍵貸します」と「お熱いのがお好き」はビリー・ワイルダー監督&ジャックレモンの中でもひときわ特別だと思います。

「アパートー」をご友人が見て映画関係のお仕事につきたいと言っていらしたのもホント分かります!
どこをとっても映画のお手本のようで演出にも編集にも無駄がまったくないんですよね。ワイルダーと組んでいたI.A.L.ダイヤモンドの脚本がまたシンミリさせたりクスッとさせたり、悲哀もあるし素晴らしくて。「お熱いのがお好き」の方は列車のシーンから笑い転げるシーン連発で♪マリリンの色っぽくてかわいかったこと^^*マクレーンもオードリーもモンローもワイルダーはみんな女優たちをキュートで可憐に撮りましたね。いつまでも女性の憧れの存在として。


「おかしな夫婦」は全然ホロッとがないんです。最後までカラッと大笑い。ラストまでギャグオチの定番みたいな感じでした。これはこれでほんとニール・サイモンらしいアメリカン喜劇でした。

こちらも日中は暑く夜朝は肌寒く身体の調子がいまひとつで、お返事少し遅れてすいません。
東京の方も暑いときいてます。どうぞお身体お気をつけ下さいね。
プログへお邪魔して信じられないくらい華麗な演奏も聴かせていただいてます。本当にありがとうございます。

2020/06/16 (Tue) 12:48 | EDIT | REPLY |   

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