「空中ブランコ」 奥田英朗 奥田マジックにハマるきっかけとなった一作

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第131回(平成16年度上半期) 直木賞受賞




傑作『イン・ザ・プール』から二年。伊良部ふたたび!
ジャンプがうまくいかないサーカス団の団員、先端恐怖症のヤクザ……
伊良部先生のもとには今日もおかしな患者たちが訪れる --



わたしは、かなりの奥田英朗好きです




「奥田英朗」が新作を出したと聞けば、まずは「待ってました!となりどんな本でもまず読んでみたいと思うのです。




こういう自分にとっての作家は数人いる。奥田英朗は間違いなくその一人であります。




とにかく、ユーモアもシリアスも、家庭物でも、サスペンスも小気味いいくらいの端的な文章と、絶妙な登場人物達のリアルな会話。読む者の心を離さない。



そんな奥田本の面白さを、最初に「おおっ!」と感じたのがーすでに読書好きの方なら、既にというか、とっくに読んでいる方も多いだろう。


この第131回の「直木賞」を受賞した、この一作だった。




「空中ブランコ」




本を読みながら、これだけ笑った作品はわたしにとって近年なかった。珍しいも、珍しい。




読書中、ぐっと涙を堪えることはあっても、意外や意外、笑うのを堪えるのに必死になった作品は、思い起こすと、ほとんどない。泣かせるより、笑わかせることの方が難しいとは、本でもこういうことなのかと思った。



これをたまたま読んでいたのが、通勤途中の電車の中。



もう笑いを堪えるのに必死で、それでも吹き出しそうになってつり革の前の人やら、何やら向かいの席の方にもキョトン?とされてしまった。



ス、スイマセン、、口を慌てて抑えたのだけど、、ダメだった。



笑ってしまったのデシタ(#^.^#)



精神科医の伊良部先生の元に訪れる風代わりな、というか、それぞれに真剣なのだが悩みを持った患者たち。



これまた、大人だか子供だか、無邪気な心のままに生きてるような、幸せ~そうな、ムチャブリ医師=伊良部先生。



彼が患者に、あれをやれ、これをやれ、「ふーん、そうなんだあ」といってはアドバイス。



注射をブスッと小気味よく打っては見事に的外れな、でも、実はそれが案外効いてるお薬以上のアドバイスをくれるのだ。これは、伊良部先生の元に訪れた、患者たちの5つの短編からなるのだが最も笑ったのが三章の「養父のヅラ」でありました。



内容は書けませんが、外科の学部長の一人娘と結婚した伊良部先生の同業者であり医師の達郎のすったもんだである。



奥田英朗のユーモアをたっぷり堪能して下さい。



ちなみに電車の中で、読むのは差し控えた方が宜しいかも。(デス)(*^_^*)




ともかく奥田英朗の文章には無駄がない。
それは、コピーライター゛構成作家などを得ているからなのか
文章がサクッサクッと完結し、リズムがいいのです。




そしてー出す出す本もバラエティに飛んでいるので、読者が「次は何で来るのかな?」と、心待ちにしてしまうのも奥田マジックなのだと思うんです!



「沈黙の町では、新聞に連載された、いじめを主体にした奥田さんの真摯にその問題に取り組む姿勢が感じられたシリアスな本。


また最近ドラマ化された「ナオミとカナコ」では、徹底的にエンターティメントで話をぐいぐい引っ張る。


中には、「サスペンスとしては、プロットが甘いのでは」と一部、声もあがったよう。しかし奥田英朗ファンからすると、想定内のこと。


元々、これは重厚なサスペンスというよりナオミとカナコという全く違う女同士の友情を絡めた、ちょっと可笑しくて悲しい、滑稽なエンタメだと納得した。


謎の中国女や、あの解き放たれたラストに至るまで、「ああ、全ては奥田さんの手の内ね」という感じでありました。



奥田英朗は、どんなジャンルのモノを書いても、中心はエンタメに徹していているから、どんな人にも頑なにならず読めるのも
人に薦めたくなってしまう要素のひとつですね



奥田英朗の作品ではほかにも長編のサスペンス「邪魔」「無理」などからファンになった人も多い。



また「家シリーズ」と呼ばれる
家日和
我が家の問題
家庭のヒミツ」の三部作も
これまたジーンとさせるわ、ちょっと微笑みがこぼれるわ、
読んでいて、ほっこりとなる作品。


あまり普段、本を読んでいなくて、なにか面白本を探してるといった方たちや読者から遠ざかっている人たち。



是非、これから読んでもほしい作家。とっかかりに近いベストセラー安定感作家。それこそが奥田さんなのです。



そんな作家、「奥田英朗」の自伝的小説となるのが、「東京物語」です。


時は、1978年から1980年代、岐阜から東京の予備校に通う為に上京していく、若者の青春グラフィティ。


懐かしい~あの時代をご存じの方なら、情景とかあの頃の流行りが目に浮かぶこと間違いなし。


わたし自身もこれを読んだ時、あの時代へタイム・スリップしたような感覚に陥ってしまった。


そう、そう、あんな音楽、あんな出来事。失恋に涙したことも甘酢ずっぱい思い出。


この作品も結構、人気あるようで最近またジャケットが新装になって発売されていたのを発見!


けれど、個人的にはこの素朴で青年のぼんやりとした志が見れているようで好きだ。


奥田英朗の味を占めたファンは老若男女、これからも増えていきそうなのだ。


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