吉田修一 「橋を渡る」 これは新たなる挑戦?これは映像化は無理?

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橋を渡る橋を渡る
吉田 修一

文藝春秋 2016-03-19
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ビール会社の営業課長、明良。部下からも友人からも信頼される彼の家に、謎めいた贈り物が?都議会議員の夫と息子を愛する篤子。思いがけず夫や、ママ友の秘密を知ってしまう。TV局の報道ディレクター、謙一郎。
香港の雨傘革命や生殖医療研究を取材する。結婚を控えたある日…2014年の東京で暮らす3人の悩み、ためらい。
果たして、あの選択でよかったのか―


またまた、愛知県は暑い日々が続いております。
前のように、熱中症にならない様に
スポーツ飲料は、出かける時も、わんこの散歩時も
つねにキープですっ。

「熱中症」が突然クラッとする事を体験して怖さが分かりましたので
どうぞどうぞ、皆さまもお身体ご自愛下さい。

映画やら、読んだ本のお話、懐かしき昭和のことなど綴りたいこといっぱい。
今日は何を綴りたいかなと、買い物から帰ってしばし休んでテレビをつけたら
、、やってました。
舛添都知事の会見。

m-ponは都民ではないけれど
これは、多分、現在テレビを見ている国民の方々の中には
「なんだ、これは!と納得いかず、「怒り」で
机をバンバン叩いてる方達もいらっしゃるのでは
と思ってしまった。

m-ponは、舛添さんは、以前、コメンテーターもやられていたし
それまでの政治活動においても、知識人であり
非常にクレバーな方だと思っていたのですが
その頭の切れる方だった。

なのに「何故、こんなに陳腐な言葉の繰り返しのような
批判が倍増するような言葉でしか語らないのか?」
不思議で、呆れるやら、同じセリフのリピートに首を傾げ
理解し難いままでした。

素直に公表し認め、謝罪すれば、改めて選挙などという事には
莫大な費用もかかる。

何度もトップが変わる事にはもう辟易している都民の方達も
国民も「怒り」をぐっとこらえ
「よし、もう一度、舛添さんに任せよう」と思ったかもしれない。
都知事として「誠実さ」を見せてほしかった。

そして、そんな「怒り」という言葉で、ふっと思い出したのが、(・・って、前置き長過ぎですね^^;)
吉田修一さんの以前出版された「怒り」という作品。
今度、映画となって公開されるという。

吉田さんと言えば「悪人」も、また「横道世之介」も映画化されている。
主演は、前者は妻夫木聡、後者は高良健吾という、それまでどちらかというと
人気若手俳優の枠に収まっていた2人。
それをぐっと「役者」として
新境地に押し上げた作品だった。

「怒り」もそうだが、
読んでいると、そのハッキリとしたディティールと
幾人もの人達のストーリーが折りなされる。
それが重なってひとつになるという展開。

読んでる側も内容が自然にドラマ化されていき、頭の中で映像が浮かんでくる。

吉田さんの作品は、文芸でもありエンタメでもある。
そこが魅力であり掴みどころなのだけど、
またそれは万人に受け入れられるか難しいところでもある。

そして、いよいよ、今回の新作
「橋を渡る」である。

読書後の感想は素直に、個人的には
「うーん、、ついていけなかった」
となった。

これもまた、「春」「夏」「秋」「そして冬」と幾つもの章に別れる。
それぞれ、まったく異なる場所、境遇で生活する、
いっけん、何の脈絡もない主人公達が、最後重なってくる。

ここがまた、「面白い」ところなのだが
この小説は「週刊文春」に連載されていた作品という事を生かしている。

それが洒落なのか、吉田修一と編集者の新たな挑戦なのか
リアルタイムの時事ネタを話にそれこそ
「ぶっ込んで、きてる」のだ。

リアル・タイムで連載時「文春」を読んでいなかった読者は
今、この本を読むと
「ああ、そういうこんな事もあったなあ」と
数年前のことが、もはや遥か昔に思えてくることに気付かされるはずだ。

毎日毎日、目まぐるしく日々トップ・ニュースが変わる現在は
まさに小刻みに変化し、過去がすぐ、ずうっと前の過去になる。
未来はまだ先かと思っていたのが、もうあっという間に実現していたりする。

ネタばれになるので、勿論詳しく書けないが、
まさに、この小説はそんな「現在」がまるごとハマるような
それにピッタリの展開を見せる。

最終章の「そして、冬」の展開に
「あっ!」と驚かされてより夢中になるか
「何だ、これは?」と突拍子なく、ぶっ飛んだ方向にいっちゃったと
そこで読者が萎えてしまうか、
(これは、勿論、著者の想定済みの事なんだろうけれど)

もう、ここまでいくと後は、読んだ人の好み、読者の趣向に身を任すしかないと思う。

私自身は、「最終章」のジャンルが、それまでの日常サスペンスから
(勝手に読む側が、そのように期待してしまっただけなのだが)

いきなり、○○ジャンルへ連れて行かれてしまったようで
一気にワクワク加速度がダウンしてしまった。
この展開は「好み」ではなかった」ということなのだろう。

何が起こるのだろうと丹念な展開と、男女問はず
登場人物達の台詞の上手さは、さすがベストセラー作家だなあと改めて思った。
すべてが最終的に結びつく、細かく行き届いた構成も見事。

これは、吉田修一氏と編集者の新たなるチャレンジなのか?
現代への風刺なのか、一流の現代社会へのユーモアなのか?
そう思って読んでみると、また発見があるのかも知れない。

この作品が「映像化」出来たら、それはそれで是非、観てみたい。
これもまた、映画人にとったら(特に邦画では)
新たなチャレンジとなりえるのかも。期待して待ちたい。



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