名作映画「裸のジャングル」と「すばらしい世界旅行」昭和TV番組の共通点!

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「裸のジャングル」1965年製作/アメリカ 原題:The Naked Prey


65年度 アカデミー賞脚本賞ノミネート。


原住民に捕らえられた白人ガイドが何一つ持たずに追っ手から逃げる、という死のゲームを強制される。彼は迫り来る原住民をかわして、生き延びようとする……逃げる男の恐怖を描いたサスペンス。主演コーネル・ワイルドが製作・監督・主演したアフリカの大自然を背景に極限状況の人間を描いたドラマ。アメリカの探検家ジョン・コルターの経験に基づいている。


初鑑賞。またまた驚きの作品! 映画ズキの友人がレンタル発掘良品で見つけ、おススメ~との話を聞いたのは数年前。ついに観る機会が!


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奴隷制度が盛んに行われていた19世紀のアフリカ。象牙の狩猟をする資産家たちのガイドとして南アフリカを訪れた主役コーネル・ワイド。だが投資家の一人が無礼なふるまいをしたがゆえ、部族たちの怒りをかってしまった。仲間はひとりふたりと原住民に殺されてしまう!


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ただひとり生き残った白人ガイド。サバンナのただっ広い壮大な風景をバックに逃げまくる!!


殺そうと追ってくるアフリカの部族戦士たち。捕まるわけにはいかない、ひたすら、逃げろー!!逃げろ!!


アカデミー脚本賞にもノミネートされた作品。65年という時代に南アフリカで完ロケを強行。主演にハリウッド黄金期のスター俳優コーネル・ワイルドを配した冒険作。奇想天外な内容もさることながらーサバンナの自然背景、アフリカ現住民たち迫力のエキストラ。スリリング、斬新な撮影技術にいま見ても驚いてしまうこと必至!!


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南アフリカに象狩りにきた投資家たち。地元の部族に通行料を支払う必要がある。本来、原住民は友好的、非暴力的なのだ。ところが傲慢な白人投資家はガイドの説得も聞かず代金も払わない。無作法に村に侵入。象狩りもやりたい放題。


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その行いはとうぜん原住民たちの怒りをかうことに。ヨーロッパ人の彼らは捕えられ、、ひとりふたり無残に殺されてしまう。


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一人最後に生き残った白人ガイド(コーネル・ワイド)に部族はいう「お前が先に走れ。俺たちはあとから追いかけ、お前を殺す」…と。それはまるで、、一人鬼ごっこゲーム…!


狩猟するかように殺そうと追いかけてくるアフリカ人戦士たち。「捕まり殺されるワケにはいかない」ガイドはひたすらサバンナを逃げて逃げて逃げまくるという、ーシンプルなストーリーでありながら、飢えとの戦い、目の前で繰り広げられる弱肉強食動物たちの死闘を見ながらの壮絶な逃亡劇!


いや~冒頭30分こそ目も背けたくなるような描写もチラリ…コレは昔にテレビ洋画劇場で見たヤコペッティ系キワモノ類!?…恐る、恐~る見続けたら心配もなんのその。全然ちがった。トラウマ映画と呼び声もある作品だけれど、全編が南アフリカの大地、サバンナをバックに、白人ガイドがアフリカ先住民たちに追いかけまくられるというアクション・ドキュメンタリーさながら見事な名作映画!


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50年以上前の作品とは思えないリアリティ、、いや50年前だからこそ作り手のシンプルな手触りフィルム感が画面を通して感じられる。灼熱太陽のジリジリ、出演者たちの流れ出る汗の雫など迫力がナマナマしい…!!


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得体のしれない無限の土地、裸にさらし一枚で逃げまくるときたら、わたしなど「猿の惑星」のチャールトン・ヘストンが必然的に思い浮かんでしまった。「裸のジャングル」が異なるのは…彼がいる場所は南アフリカの大地、サバンナであることはすでに判明してるワケで。


しかし、、行く先が右も左も分からないのはおなじ。道などない。迷い込むのは奥深いジャングル。当たり前のように、側ではライオン、ヒョウ、コブラなど猛獣たちが弱肉強食、荒波の世界を繰り広げている。


しかもー住民戦士たちは必死の形相で追いかけてくる、、極限の飢えも加わり死ぬか生きるかの過酷なサバイバル、自分だったらどうしたらいいのという…恐怖が。


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セリフもほとんどなし。コーネルワイドのひとり芝居。ときに敵のメンバーのひとり、ふたりに追いつかれ一対一の決戦に。いつの間にかヤリ投げ、ナイフの使い方もイタについた主人公は死闘の末に敵を倒していく。


これがースタローンだったらランボーさながら、バッタバッタと超人的な能力で相手を倒し崖から崖へも飛びうつりジャングルを走り抜けそうなところ、、「裸のジャングル」では引き締まった体系に少々マッチョのコーネル・ワイルド。極端にヒーロー然としていないところもハラハラさせられる。


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サバンナの動物たちの生態をも写しこむ。どれくらいの時間をかけ…どれほど近距離でフィルム回していたかも大いにナゾ、ナゾ、謎!


なによりーエキストラに参加していたとされる人々が現地の住民にしか見えず、彼らがどういった経緯で撮影に参加しスタッフは演技指導したのか。興味深いところ満載でお口アングリ。


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ーコーネル・ワイドを追いかける戦士たちのスゴ味!! 調べてみると当時アフリカで活躍していた著名な俳優たちだったよう。迫真の演技を見るにつけ…世の中は広い…欧州、アジアだけではなく世界には星の数ほど名役者が存在した(いる)のだなあと実感。


そしてー「裸のジャングル」を鑑賞し、思わず脳裏に浮かんでしまったのが、、、


昭和ー日曜日の夜といえば、日テレで放映されていた日立提供「すばらしい世界旅行」


世界各国の民族、習慣、暮らしぶりをフィルム・ドキュメンタリーという形で30分にわたり放映してくれるノンフィクション番組にみんな釘付けに!



「素晴らしい世界旅行」OPナツカシイー!1966年からスタート、1990年に放映を終えた番組(まさしく昭和の終わりと共に番組も終焉を迎えた)日本では世界旅行が一般庶民には夢のまた夢のころ。


おなじ日曜午前に放映していた「兼高かおる世界の旅」のゴージャス、大人びた雰囲気とは趣がちがい「素晴らしいー」はいまでいうBSドキュメンタリーに似た志向。ナレーションは渋くて声優としても活躍していた久米明さん。


中でも放映中、もっとも「ウワーッ!」とドキドキしたのはーアマゾン奥地取材、未開のアフリカの地に暮らす民族たちをとらえた回。


遠い地の国で暮らす人たち、生活様式。「世界はひろいんだー」地球儀の上だけでは分からない異国の文化に魅せられた。子供心にもモノの考え方がワールドワイドになった瞬間…!幼少期の成長意識に多大な影響を与えた番組だったと思うのですよね。


「裸のジャングル」に映し出されるアフリカの大地、息づいてる人々も「すばらしい世界旅行」とおなじく幼き日に見たら間違いなく忘れられないインパクトのひとつにになっていたはず。


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この斬新な映画が製作されたのも65年。「すばらしい世界旅行」放映がはじまったのは66年。世界がグッと身近になり新しいことに挑戦しようという気概が映画会社やスタッフに俄然盛り上がった時代。


後半ーワイルドは逃走中ー別の村が奴隷狩りの白人たちに焼き討ちにされる場面に遭遇。多くの村人が拘束されていく中、ひとり取り残された少女との温かい交流も描かれる。このエピソードが終盤につながるキーポイント。


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結局ー少女はワイルドと一緒の旅に行くことはできないと村に引き返していく…。自らの運命を受け入れ、その地がたとえ恐ろしい場所であったとしても、遥かなる生まれ育った大地こそが少女の永遠の故郷。結局のメッセージはそこなのでは、と。


ラストシーン…あれほど敵対し殺し合った者同士が互いの異なる"文明"を感じたときスッと引き下がる。相手の領域、文化を尊重しルール厳守。土足では踏み込まない、犯さない。それはあらゆる人間関係にも通ずることではないでしょうか。



「裸のジャングル」"The Naked Prey"trailerの一部。全編に流れ続けるコンゴのリズムも印象的!


まだまだ見逃してきた面白くて興味深い映画がいっぱい。これからも綴っていきたいものです。








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