「脱出」絶対観るべし!米歴代スリル映画15位。男たちがカヌー下りで巻き込まれた最悪の恐怖!

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「脱出」1972年製作/アメリカ 原題:Deliverance 


1972年度アカデミー作品賞/ジョン・プアマン監督賞/編集賞/ノミネート
ニューヨーク映画批評家協会最優秀作品賞/最優秀監督賞



ニューヨーク タイムズ紙史上最高1,000 本の映画の一本に選出。
英国チャンネル4最高の映画 100本のリスト45位。アメリカAFI 100年...歴代サスペンス・スリル—15位


主演バート・レイノルズ ジョン・ボイドほか。舞台はジョージア州の山奥。ダム建設で数か月後には永遠に沈む運命にある川をカヌーで下ってみようと都会のビジネスマン4人がやってくる。ところが、ちょっとした冒険のカヌーの川下り、キャンプのはずが、恐怖のサバイバルゲームと化して! 怒涛の激流、山賊たちの襲撃との地獄の戦い…!!



絶対、絶対に~観るべし!


サイコーに不気味、面白い、凍り付く怖さ、あり得ない驚異の撮影技術! 「脱出」を、はじめて数週間前に観て衝撃をウケてしまった。


恐怖サスペンス、男たちの肉体アクション、極限ギリギリの精神状態と戦う最悪のスリラーでもあるという!


ゾワゾワする緊張感、先が分からない不安、カヌーで激流下るド迫力、手に汗握るアクションに興奮しまくり「スゴイー、スゴすぎる」となんども再生を止めて呟いてしまったほど。


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自然界の山々と水面をとらえる映像の美しさ。それに反比例する異様な奇妙さ。ダムに沈みゆく静寂、村人たちの独得の退廃感。都会から隔絶された一種の疎外された不気味さが不思議なコントラスト。


ここにはー人間が自然を壊していく無作法への怒り、対人間同士の対立、現代文明に対するアンチテーゼがある。ただのアクションスリラーになっていないところも、ながく作品が語り継がれてきた要因のひとつだと思う。


アメリカ広しどダムに沈むことが決まっている山頂の村、、。都会からやって来た彼らに対する村人たちの拒絶意識。守り続けてきた長い間の生きる術を犯されるのではという危機感。


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「川を下るのは勝手だが二度と戻れなくなるぞ」と村人に諭される4人。特定の地域全部が決してそうということではないけれど、世には非常に保守的で外部からの人間や情報を拒絶するような土着的な地域がまだ存在する。


彼らの生活は静粛な時間と限られた人々のなか何十年も変わらぬ営みの中で成り立っている。人里離れた暮らし、アメリカにも都会とは隔絶された、このような小さな村、場所があることにあらためて驚いてしまう。土足で足を踏み入れてくる都会人たちを村人たちがよく思うわけはないことにも気付かされ、、。


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都会のビジネスマン仲間4人。純粋にキャンプを楽しみたい。カヌーに乗り、いずれ沈みゆく場所を川下りしてやろうという好奇心、やってやろう見てやろう、娯楽ゲームを体験するかの如くやってきた。


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リーダー格は経験豊富なアウトドアマンで野性的なルイス(パート・レイノルズ) TV界ではすでに人気者だったレイノルズがこの作品の大ヒットで一躍スクリーンでもトップスターに。怖い者知らずだが慎重深い男を一貫してスター性のある演技で見せていく。


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彼の親友であり沈着冷静、パイプをくわえるのが趣味のエド(ジョン・ボイド) 。太っちょのボビー(ネッド・ピーティ)と音楽家のドリ(ロリー・コックス)はカヌー初心者。途中からはボイドの熱演がカギになる。ほか二人も舞台役者からの抜擢で演技は唸るほど上手い。


冒頭はスローペース。彼らは2組に分かれカヌー下りを開始。ときにジョークを飛ばし合い、オールを漕いで奥へ奥へと進んでいく、、。


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しかし、、、絶対になにか良くないことが起こりそう。「バカ、バカー!! 壮大な川を小さなカヌーでわたるなんて絶対に無謀」観てる方はなんども声を張り上げてしまいそうに。


いまではすっかりメジャーなアウトドア、川下り。オリンピックでカヌーが種目に入り、スポーツや観光地ではむろん理解しているはずだけれど、、。不意打ちが、どこからともなくやってきそう。役者たち全員が撮影のためにカヌーの訓練を受け挑んだという激流シーン「いったいどうやって撮影したのか!?」というほどにド迫力満点!


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それぞれペアで移動。2 つのカヌーが流れ漕いでいく。夜間は山間でテントを張りキャンプを堪能。不気味な気配も感じながら、、次の日も最終目的地を目指しカヌーは出発。


ほかの二人より早く着いたエドとボビー。すこし休もうと陸にあがったところ、、


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森から出てきた2人の山岳男性に遭遇、、、ひとりは散弾銃をもち、一人はの前歯のない男、、!!


ーああーもう、もう、これ以上は書けません!! 真の恐怖のはじまり。生きるか死ぬか壮絶なサバイバルへ。これ以上はネタばれになってしまうので控えます!


「いやー世の中にはこんなに面白い映画がまだまだたくさんあったのに見逃してきたんだ」というショック!


なんということ。わたしは数週間前にー「脱出」を見てから、、青春期に戻ったかのように、映画熱がダァーッと以前のように俄然、復活してしまったのです。


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「脱出」は日本では昔からすこしコアな人たち、評論家の一部が雑誌などで無茶苦茶アツク感想を語っていた映画。10代のころレビューを目にしながらも何気に見逃しスルーしてきた作品。


昭和と変わったなあと思うこと。日本で「名作」と語られてきた一般的な映画はいまでは定番品。ほとんどは目にしている方が多いはず。ウレシイことに現在はー配信、Blu-ray高画質で以前は知ることのなかった海外でのリアルな評判作、人気作が雑誌や評論家を通さなくてもダイレクトに観れる、伝わる時代。「脱出」の海外での人気ぶりを知るにつれ思いは募りついに視聴! 噂にたがわずスゴイものを観たという感じ。


ちなみに「脱出」は1972年アカデミー賞「作品賞」「監督賞」「編集賞」三部門でノミネート。しかしー「ゴッドファーザー」「キャバレー」「探偵スルース」ら強敵が目白押し。惜しくも受賞は逃したもののー考えてみてください。これほど不気味で恐ろしいアクションホラーが作品賞にノミネートされたということを…!!


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当時も全米で大ヒット。撮影が行われたジョージア州ラブレ群には観光客が押しかけ、いまも後を絶たないという。


おなじくー知名度と作品の内容から「Deliverance(原題)」と聞くと、いまも多くのアメリカ人は「Oh! my God!!あのような目に合わされるのだけは勘弁! 」と天を仰ぐという…(とくに男性陣)(笑)恐怖体験のトラウマ指針に使われるほどメジャー作品。


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撮影中のメンバーたちとスタッフ。「未来世紀ブラジル」「エクスカリバー」「戦場の小さな天使たち」など寡作ながら絶大な人気作を発表してきたジョン・プアマン監督。「脱出」は中でも空前の大ヒットと反響を巻き起こし、プアマンでしか描けない独特のひと癖、ふた癖もある演出と、人間の内側にある繊細な怯えや得体のしれない恐怖を描き切っている。


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メイキングの中ー監督は原作をふまえキャストを立てたときのことを「ヒーローとして絶対に助かると分かる俳優は使わないと決めていた。イーストウッドやマックイーンなら必ず助かると観客は思い込んでしまう。その概念を変えたかった」と語っている。意図はまさしく大成功。バートレイノルズでもスーパーマンにはなり得なかったのだ。


ここにはヒーローはいない。その変わり究極の恐ろしさの極限に立ち向かったとき人はどう動くのか、仲間をどうするのか。誰の身にも置き換えることができるからこそ究極の体験型恐怖を運んでくる。


紅葉が素晴らしい季節。でもーキャンプとカヌーにはご用心。男だけだからって(←言っている意味が"映画"を見ればわかります) 油断なさらないように。「脱出」を観たら間違いなくそう感じるでしょう~。


未見の方はぜひぜひこの傑作をご覧ください。 はじめて「脱出」を観られる方、ドキドキ感が初体験できることウラヤマシイ限りです。これからも名作はもちろん、佳作、小品、コア作あらゆる作品を観てどんどんレビューできたら~と思います(願望)



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Comments 2

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moondreams  
地獄の川下り

今晩は、m-pon5さん。秋の行楽は、京都 紅葉を愛でながらの保津川下りでしょうか?

『オラが村で勝手な真似をするでねぇー』と4人のむさ苦しい男ばかりの急流下りに
襲い掛かるばかりでなく、汚!い!ケ!ツ!の男にまでイカレた村人が・・・。
やめてくれー,Oh! my God!!(笑)という映画紹介 ありがとうございました。

『帰らざる河』のマリリン・モンローのような女性が出演してくれれば劇場で
見たかもですけどね、男ばっかりしか出てこないだもん。だからビデオで見ました。

しかし女性のm-pon5さんが、いまではカルト作品とも思われるこの作品を推薦されるとは!?
映画好きが偲ばれます。ワイルドな男の魅力 ムンムンのB・レイノルズが意外に強くなかった
りして、余計に見る者をハラハラさせる巧い映画でしたね。

いっぷくの清涼剤は、イカレた住民の子供と音楽家ドリュー(R・コックス)との音楽交流
バンジョーとギターでv-341”Dueling Banjos”の場面でした、ちょっと不気味だけど。
https://www.youtube.com/watch?v=pDlZLsJJkVA&t=5s

2022/10/17 (Mon) 21:45 | EDIT | REPLY |   
m-pon5
m-pon5  
>地獄の川下り

>moondreamsさん

こんばんは♪

ほんとにあらゆる意味でスゴイ映画ですよね~いくつものタブーに挑戦している感が人を惹きつけ放さないといいましょうか。そうなのですよね~B・レイノルズがつっ走ると予想したら紳士的なジョン・ボイドが死に物狂いの戦いに挑むことに。苦悩するボイドがまたイイんですよね~ワワッこれ以上書いたらネタバレになってしまいますねゞ

はいっ♪美しいものも大スキなのですが男しか出てこないような暑苦しさムンムンの作品も大好きですよ~「大脱走」とかボギーの「黄金」とか手に汗握るワイルドさ、駆け引きがたまりません~(もちろん良い出来の映画に限りますv)

moondreamsさんがリンク貼って下さった名シーン!すでに十万件もイイね!がついていますよ(笑)やっぱりみんな「脱出」がスキなのですよね~あの少年が登場した瞬間から「この映画はナニかある!」って思わせてくれましたね。バンジョーのリズムが楽しいのだけど物悲しくて。カヌーで通りすぎたとき橋の上の少年はもう無表情だったのがなんとも…これからの出来事を予知しているかのようで象徴的でしたね。映画の場面がよみがえるコメントありがとうございましたe-446


2022/10/18 (Tue) 17:16 | EDIT | REPLY |   

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