『いつも2人で』オードリー映画  名曲と名場面~愛する所有サントラ盤~第一弾

m-pon5



名作映画には、必ずそこに名場面、名音楽あり!



昨今は一部ミュージカルなどを省き『映画サントラ盤』が依然ほど巷の話題にあがることは少なくなった。けれど名匠たちが生み出した珠玉の映画音楽。それさえ聴けば、あら不思議。一瞬にして名画の喜びも悲しみも、涙も、みーんなこころに再現される。


マイ・フェイバリッツ映画の所有サントラ盤たち。名シーンと共にご紹介~映画ファンの皆さんなら「あー!!」という名音楽ばかりのことでしょう。


P5046812 (2)
今回はー「午前十時の映画祭」でも上映中のオードリー映画の佳作『いつも2人で』を。


監督は『雨に唄えば』『シャレード』などのスタンリー・ドーネン。主演はオードリーと、当時、新進の有望な英国俳優のひとりとして注目を浴びていたアルバート・フィニー。音楽を担当したのは『ムーン・リヴァー』など60年代以降オードリー映画には欠かせなかった名匠ヘンリー・マンシー二。



P5046791 (2)
こちらが所有の2017年に世界で1000枚限定で発売された完全限定版『いつも2人で』サウンド・トラック盤。劇中で流れたままに全曲が納められている。


わたしにとって『いつも2人で』は、名品揃いのオードリー映画の中でもベスト1、2を争うほど大好きな作品。


50年代ハリウッド黄金期に彩られたクラシックな彼女の作品も、それはそれで、なんど見ても溜息もの。けれどーオードリーが輝くばかりの大スターになり妻になり、子の親になってから、ちょっと小粋に演技にも余裕をみせ、、女性として俳優としてチャーミングにコミカルに。女心切ないまでにヒロインたちを演じ切った60年代のオードリー映画。どれもがまた、たまらなく、いとおしい。


P5046807.jpg
限定版の中身ジャケット。カラフルな60年代。その時に埋め込まれたタイム・カプセルのようにー記念樹から発される変わらぬ息ぶきのように、スクリーンを通してずっと輝き続けている「時代」の映画というものがあります。



それはファッション、車、風景が奏でる「時」のメロディー~『いつも2人で』は間違いなくその中の一本!個人的にー『シェルブールの雨傘』、リズ・テイラー主演『いそしぎ』、『コネリー時代の007』、ビートルズのカラー映画『HELP!』、マイケル・ケイン主演『アルフィー』なども、おなじ60'ムードが満載されている作品だと思う。


P5046802 (2)
マーク(アルバート・フィニー)とジョアンナ(オードリー)。男女の初めての出会いから、やがて恋人へ。結婚し夫婦になり子供も生まれるも、いつしか互いの気持ちはすれ違う。浮気、喧嘩~仲直り。いくつかの旅を交差させお洒落にスタイリッシュに。時にはグッとさせるほどリアルな感情のぶつかり合い。男と女、愛し愛され結ばれたはずなのに、憎しみ合う人の不思議さ。それも2人の道。人生は旅と一緒。いい時も、よくない時も、いつまでも二人の旅は続いてゆく。


わたしが初めて作品を観た日。友人が衛星放送から録画し、貸してくれたVHSテープ。録画されていた映画はアヌーク・エーメ主演の『男と女』 そしてーもう一本が『いつも2人で』だった。どちらにもウットリしたものだけれどーとくに『いつも2人で』は当時レンタル店でもなかなかお目にかかれず、どうしても観たかった作品だったので感激もひとしお! あまりにも気に入ったため深夜に観始めたに関わらず二回も通して見てしまったくらいに。


冒頭からの洒落たタイトル・バック。切なすぎるほどの郷愁を呼び起こすマンシーニのテーマ曲。そこにはーいままで観たこともないほど自由で伸び伸びしたオードリー。人間味溢れんばかりの彼女がいた。


ワハハッと心底笑った、初めて水着にもなった。羊の真似をし鳴いた(笑)ムッとするかと思うと、悔し涙を流す、、映画の中のオードリー演じるジョアンナは、最初からマークのことを好きで好きでたまらない。マークにある時はケナされ、辛辣すぎるだろというキツイ態度をとられようが、タフに恋に立ち向かう。


P5046794 (3)
これまでとは違う変化と同時に、そこにはーすべてのオードリー映画に共通する『健気さ』で溢れまくっていた!


黄金のオードリー映画というと相手役は歳の離れた当時の大スターという鉄板が多かった。彼女が身をこがすほど相手に憧れ、背伸びし、ときにはツンと意地を張ったその可憐で健気な姿に、相手もいつしか彼女を見初め、愛し愛されというロマンティック・コメディパターン。


シリアスモノは別にしても、若手相手役ジョージ・ペパードの『ティファニーで朝食を』でさえそうだった。気ままな都会暮らしを振る舞う娼婦ホリーだけれど、真の内面。田舎育ちで戦争に行った兄弟を想うそのピュアさ、いじらしさ!『ムーン・リバー」の曲そのものが表した、こころの清らかさと詩情に溢れていた。


『いつも2人』が、これまでのオードリー作品と異なるのは、相手役アルバート・フィニーの立ち位置。彼は「えっ!?」と驚くくらい、オードリー演じるジョアンナを軽くあしらってしまう。


二人の出会いから、フィニー演じるマークが目をつけていたのは、ジョアンナではなく、彼女の旅仲間で一緒にいたジャクリーン・ビゼット演じるジャッキー。ところがひょんなことから、ほかの学生たちは旅を続けられなくなってしまった…。残ったのはマークとジョアンナだけ(笑)


マークのことが気になり、彼に恋心を抱きはじめていたジョアンナは二人旅にウキウキ。逆にマークは「仕方ねえな」という感情からスタート。けれど、旅が続くうちに次第にマークもジョアンナの一途な健気さ(←出ましたー!ケナゲさ)、純粋なかわいらしさに惹かれてゆく~。オードリーはコメディエンヌとしての才能もバツグン。反面、抱きしめくなるような凛とした中の、か細さがたまらないのです!


road2-1600x900-c-default.jpg
ああー互いを好きになっていき、いとおしさが徐々に募る過程は、輝く「笑顔」だったり「優しさ」がふと垣間見えたり、一瞬、一瞬の奇跡の繰り返し。


ー名場面がいっぱいある本作でも、結婚前。個人的にマークとジョアンナが恋人時代に旅するシーンが一番好きだ。セルビデオ、DVDと買い直してきてもリピートするシーンは変わらない。無邪気で計算などなにもない恋人同士。ぶつかりあっても次には助けあう。ただ、ひたすら「愛してるよー」って囁き合う。それだけで幸せ。こんなに初々しい季節が、恋すれば一度はみなに平等に訪れる。


けれどーその期間は長く続かない。扉の向こうには「現実」が待っているから。映画は、いくつかの二人が巡る旅を通し、微妙なカップルが辿る人生のニュアンスを、わたしたちに見せてくれる。


P5046797.jpg
所有雑誌『スクリーン』1966年9月号。オードリーの映画撮影場面にも海外取材!いまでは考えられないほど豪華な企画。取材は『いつも2人で』ロケ。約50年も前なのに、この時代の方が手をかけお金をかけ豊かだったのはなぜ?この号はちょうどビートルズが来日し公演を行った特集もあり、映画、音楽ともたっぷり。中身も充実。


考えればー『いつも2人で』は、むしろ日本より欧米での評価の方がずっと安定していた。AFI歴代恋愛映画ベスト100では、オードリー作品は5本選ばれているのだけれど(これはキャサリン・ヘップバーン作品と並び最多!)、その5本が『ローマの休日』『ティファニーで朝食を』『麗しのサブリナ』『マイ・フェア・レディ』と、そして『いつも2人で』なのだ。


評論家からの絶賛も言うに及ばず、ジバンシーではなくマリー・クワントなどの既製服を着こなしたオードリーが、なにより心理的に情緒的な見事な演技を見せていること。


唸ってしまったのは、結婚後マークの浮気が発覚。悩んだ末に離婚しないことを決めた彼女に、マークがさらに傷つけるような一言を彼女に投げかけるシーン。一瞬にして泣きじゃくり嗚咽し苦悩するオードリー。心情をこめた迫真の表情を目の当たりにすると、彼女が決してファッション・アイコンだけの存在ではなかったことが分かるはず。


P5046805.jpg
上同号のスクリーン誌から。映画では水着まで初披露。2人ともさすがの欧米人。足がナガーイ!!2人が浜辺で真っ赤に日焼してしまい、身もこころも絆深まりアッチッチ。微笑ましいロマンティック映画ならではのベストシーン。


監督スタンリー・ドーネンの過去、未来の旅を交錯させた、画期的な演出も冴えわたっている。出会いから結婚、悲喜こもごも。夫婦の日常をこれほどシミジミと味わい深く丹念に描いた上でのお洒落な作風は眉唾もの。



Two For The Road | Soundtrack Suite (Henry Mancini)


リリカルで哀歓深く切ないまでのメロディー。夫婦の人生旅を完璧にとらえた美しいテーマ曲はイージー・リスニングもいくつか手掛けたマンシーニだからこその名編。


『ひまわり』『シャレード』『ピンク・パンサー』なども有名だが、ことさら名場面とともに『いつも2人で』は尽くしがたいスコアになっている。マンシーニ本人も後々語るほど相当気にいっていたよう。


『いつも2人で』をはじめて目にする人は時系列に戸惑うかも知れない。大きなエピソードがパン!と起こるワケではないし、どちらかというとアクション系に慣れている方はドラマに馴染むのに時間がかかったり、『ローマの休日』でオードリーを知った若い方が(今夜、何十年ぶりに民放ゴールデンで放映されますね!) 次にこの作品をチョイスしたら作風の違いに躊躇することもあるかと思う。


けれどーこれはスルメの如く、映画好きなら観るたびに新たな発見がある作品であると共に大人の物語。


若い頃より、自分がすこしだけ多くの映画になじんできたとき。オードリー作品にいっぱい触れてからでもー自分が人を愛し、結婚していても、していなくても、好きな人と泣く泣く別れた経験や、ほろ苦い切なさと喜びを知りえた人なら、画面や音楽、懐かしい風景を通してきっと胸しみこむ作品になることでしょう。


P5046808 (2)
『いつも2人で』 限定版と通常版。良い映画には忘れ難い名音楽が必需品。ジャケデザインも斬新。


実はこの作品だけではなく、ほかのフェイバリッツ映画サントラも一緒に掲載しようと思っていたのですが語り尽くせず。また長くなりそうですので(いつものことか(^-^;)第2回目のときに~。


映画は夢の旅。音楽への旅。暗澹たる時代も、いつの世も、音楽は人のこころにポッと火を灯し温かくする、希望の光であり続けます。



関連記事

Comments 2

There are no comments yet.
ギターマジシャン  
オードリー・ヘップバーン

オードリー・ヘップバーンが休業する前の映画というと、「おしゃれ泥棒」「暗くなるまで待って」は見ていますが、「いつも2人で」はタイトルもあまり覚えていない作品でして、自分にとってエアポケットでした。
(五指に入る代表作なのにお恥ずかしいです・・・)

オードリーと言えば、地上波で「ローマの休日」が新吹替だと大々的に宣伝されていて、池田昌子以外には考えられないと思いつつ見たら、ほとんど違和感がなくて、びっくりしました。

サントラ盤は、本当に話題にならないですし、エンディングテーマを有名どころの洋楽アーティストが歌ったり、日本公開では、まったく別のJ-POP歌手が歌っていて、かつてのヘンリー・マンシーニ、ニーノ・ロータ、ヴィクター・ヤングといった巨匠の後継者が乏しいのも一因でしょうか。

2022/05/15 (Sun) 15:47 | EDIT | REPLY |   
m-pon5
m-pon5  
>オードリー・ヘップバーン

>ギターマジシャンさんコメントありがとうございます<(_ _)>

先日の『ローマの休日』大反響でしたね♪声優の方が池田昌子さんをリスペクトされていたようでニュアンス的に違和感をあまり感じなかったですね。ペックの方はさすがに品があり包容力のある城達也さんには及ばなかった気がしますけれど、相当のプレッシャーの中で検討されていましたよね。ゴールデンにモノクロ映画!久々に新鮮な気持ちになりました。

『いつも2人で』は、『おしゃれ泥棒』と『暗くなるまで待って』に挟まれたこともあり、少々地味目な扱いでしたから、ギターマジシャンさんがそう思われていても無理なかったと思います。けれどーこれが観ると新鮮でお洒落。大人のリアルさがあるんです。通向け?といいますか多くの世界中の評論家やファンに愛されている作品なので、たぶんーギターマジシャンさんがいまご覧になったらよりハマるんじゃないかなあって^-^そういえば村上春樹にとっても大好きな作品なんだそうです。わたしも一年に数回は観てあの60'の世界に浸りたくなってしまいます。オードリーのキャリアにとっても『いつも2人で』に出演し女優としての功績をより残せたことはすごく大きいことだったと思うのですよね。ぜひぜひ機会ありましたらご覧になってみてくださいね。

2022/05/16 (Mon) 22:10 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply