貴重! 山口百恵16歳 水野晴郎と映画について熱く対談した日 スクリーン その芯の強さ

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所有の1975年四月号 雑誌『スクリーン』から山口百恵と水野晴郎が対談した記事



山口百恵このとき十六歳! アイドルとして歌も絶好調。テレビでは『赤い疑惑』、映画では主演映画二作目『潮騒』も好調。アイドル街道まっしぐら。


洋画映画雑誌『スクリーン』の中。映画評論家であり「水曜ロードショー」の解説~゛映画ってほんとうにいいものですねえ、のキャッチフレーズでお馴染み。水野晴郎さんが、毎月ゲストに海外スターや日本の映画関係者を招いて対談する企画コーナー。


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このコーナー。記憶にある限り日本のアイドルがゲストに登場することは滅多になかったんですよね。主演映画もあり大の映画好きという百恵ちゃんが対談相手にいたとは知る人ぞ知るハナシ。わたしも数十年前、集めていた映画雑誌を何気なく読んでいて見つけたもの。


なによりー驚いてしまうのは、十六歳の少女とは思えない山口百恵のしっかりとした主張。受け答え。映画について彼女なりの実直な見方!


水野氏も 自分を見失わない芯の強さに驚愕していたと記しております。


これからどんどん成長していく山口百恵の真っすぐな生き方につながる片鱗がすでにこの対談で垣間見れるのが素晴らしい。


彼女が引退前に綴った著書『蒼い時』について綴った以前の記事→「『蒼い時』はなぜ人の心をあんなにも掴むのか」にも通じる意思の強さ、ブレなさが伝わってくる。


たとえばーこれがアイドル雑誌『明星』『平凡』だったら、、、


アイドルたちの当たり障りのないインタビュー記事はあたりまえ。子供ごころにも、「これ、ほんとうに本人が答えているのかなあ? ハード・スケジュールだもの。きっと適当にライターが書いてるんだろうな」と思っていたこともしばしば。


けれどーイメージもあるだろうし、そういうものだと思っていたから、腹を立てるのもヤボなことだと思い自然にスル~していたのだった。


しかし、、、ーこちらは洋画雑誌だ。たぶんー読者層も違っているだろうから、校正もせず、スタッフもありのままの山口百恵の声を掲載したんじゃないかと勝手に想像。


ではではトークから、印象に残る部分の抜粋を。


~自分の映画について~どんな役をやってみたい?という水野氏の質問に対してー


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百恵「ウエストサイド物語 とても好きな映画のひとつなんです。歌や踊りもいいけれど、やっぱりトニーとマリアのあの愛の強さ


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百恵 「ーはじめて見たのは中学一年のときー。言葉で何か言うより、感じたっていう方が正しい気持ち。その中にトニーとマリアの、大人になりかけた十九歳の情熱、考え方、生き方を知ったんです」


中途半端に映画を見ていない、百恵ちゃんの感性。それから、もう一本好きだったのは『クリスマス・ツリー』と語る彼女。


10歳の少年が自分の病を知りながら、父ウィリアム・ホールデンの愛に包まれ、大好きな狼に見守られクリスマスに旅立つ胸をうつ物語。日本でも大ヒットした映画のひとつ。


百恵 「涙が出て出て。片一方では恥ずかしいと思いながら、片一方では心が洗われたようですごくいい気持ち。どこにでもあるような話だけど、動物と少年。優しい感情の流れがもうたまらなくすき」


水野氏 「百恵ちゃん自身すごく優しい心をもっているんだな、きっと」


百恵 「いいえ、私は気が強いんですよ(笑)


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和やかに対談中。


百恵「ファッションはGパンで飛び跳ねられるものが好き。それでいて和服は大好きなんですよ。色でも自分の好きな色はハッキリしているんです。たとえば白か赤。まざったり中途半端なものじゃなくてスパっとしたもの」


水野氏 「古い映画を見て勉強したいと思う?」の問いに、、


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百恵「うんと見たい。なんでも見たい。『ザッツ・エンターティメント』のようなミュージカルからバーグマン。よく学校で忙しくて百恵ちゃん大変でしょう、なんて言われるの。でもすごく心外なんです。時間見つけてどんどん遊びに行くし、買い物も行く、昔の映画もどんどん見て、どんどん自分のものにする…」


水野氏 「どんなチャンスにでも自分をも見つめなおすことができるわけだね」


百恵 「そんな私ですから、張り詰めた生き方をしている映画の中のスターなんて、すごく興味があるんです。たとえばー映画ですと『黒いオルフェ』の二人とか…生きてるって感じが大好きです。』


水野氏「ウエストサイドのジョージ・チャキリスなんかも…」


百恵 「そうなんです。もうあのピンと張りつめた姿…ジーンと感じちゃうんです」


と、、ココで、、!


そこでーとうぜん、水野氏はココでアラン・ドロンはどう?と尋ねる。


なぜならーときは70年代前半。日本ではアラン・ドロンは知らぬ人はいないくらいの超人気スターであったわけだから、、当然映画雑誌「スクリーン」としては聞かなくてはいけないスターであり質問。


水野さんも当然の如く、使命感に燃えていたはず!


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水野氏 「アラン・ドロンなんかどう? 僕なんか彼と世代的にも似てるし…(絶賛が並ぶ) 何かの本で百恵ちゃんがアラン・ドロンきらいだって書いてあるの読んだけど…」 ←なんとなく恐る恐る?笑


そこでー百恵ちゃんの返答!!だ


じつはー、、、


インタビューの中でわたしはココがいちばん竹を割ったような答え、というか。


「ワーッ!」と思ってしまったところ!


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百恵 「きらいっていうより関係ないって感じなんです。これ、アラン・ドロンだけじゃなくて、エルヴィスもビートルズもそうなんです。別の時代の人って感じ。」


水野氏「成るほどね。生きた世界の違い。でも本当に偉大な芸術家なら世代と時代を超えた共感があると思うんだけどどうだろう」


百恵 「ええ。プレスリーなんかはあの歌は歌として好きなんです。ビートルズも音の世界に新しい時代を開いたことも分かるし、挑戦する才能と努力は買います。でもやはり私と一緒の感覚で生きていくのと違うと思うんです。」


ひゃあ~!  この忖度ない、裏表のない、ありのまま16歳の少女の的確で素直でなんと的を得ている言葉だろう。


それを、、雑誌「スクリーン」で答える百恵ちゃん。当時「スクリーン」誌の人気投票では毎年アラン・ドロンが1位。CМも放映。年に何本も封切り映画が公開され、アラン・ドロン人気といったら日本では別格だったころ。ビートルズにしてもそう。解散から5年は経過していたころだけれど、まあ年中、話題にことかかないビートルズ人気。


けれど、、、考えれば当時16歳の若い百恵ちゃん世代にしたら、ごもっもともな回答。ピンとこなくて当たり前なのだ。


それをスパッーと歯切れよく意見として答える山口百恵は、なんて頭がよくて媚びなくて、自分を持っている女の子だったのかと改めて思ってしまった。


だって下手すれば、、、ですよ!?


ドロンファンどころかスクリーン愛読書の映画ファンでさえ、ともすれば敵に回しかねない発言でもある、、


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16歳。アルバム中ジャケットの山口百恵フォト。初々しい透明感。涼しい目元と強い意志が同居する不思議な魅力。


きっとアイドル雑誌だったら、プロダクションかライターが適当に「アラン・ドロン大好きです♡」なんて見繕い文にしていたはず。


ーそれを読者層が違うからとスタッフもそのまま掲載させることをなんとなく厭わなかったんだと予測。そして、コレ、このまま行きますよという当時の雑誌の心意気も好きだー。


きっと、、、百恵ちゃんの嘘のない姿勢こそが、却って映画好きにも好意的に迎えられたに違いない。


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対談も終盤へ。百恵 「ある人に言われたんです。人間はいつも砂漠の砂であるべきだって…あらゆることを吸収することが必要だって…」


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百恵 「すごく幸せだと思うんです。忙しくて大変だろうって言われて逆にピンとこないのは、私が仕事を楽んでいる事でもある。みんなが楽しんでいる間に先に人生勉強しているんですから…」


水野「そして勉強もばっちり(笑)。若いということはなんでも出来ること。映画がいつも永遠に若さを描き続けてきているのは、この可能性があるからなんだよね」


この水野晴朗氏の言葉は、映画に関心を持った、いまの若い人たちにも十分に伝わる熱いメッセージなのではないだろうか。


~割愛した箇所もあるけれど、対談は終わる~


山口百恵、若干16歳。対談を読んで彼女が自らの人生を決断し歌手という仕事にけじめをつけ、潔く引退したことがいかに自然体のことだったのかがよーく分かる。いつも己を見つめ客観的に物事をとらえる洞察力。好きなものは好き。とことん大切に。


そんな百恵ちゃんも、いよいよ、おばあちゃんに!嬉しいニュースも飛び込んで。ここ最近、孫の顔を見たいとしばし語っていたらしい三浦夫妻。きっと喜びもひとしお。16歳の百恵ちゃんの記事を読んでからニュースを知ると時の流れに感慨深いー。


でもきっと心の奥底は変わらない。これからも山口百恵は、キルトも、映画も、旦那様もずっと好きで愛し続けていくのでしょう。


ビートルズに関しても、、この対談のあと。数年待たず恋人同士になった三浦友和。将来の旦那さまの影響でかなり好きに変化していっただろうってことも付け加えておきます。


じつはーこれから約4年後。79年にはもうひとつの洋画映画雑誌『ロードショー』の中で、小森のおばちゃまと対談。こちらでも歯切れのいいスパッとした映画論を彼女は繰り広げているので、機会があったらまたブログにも掲載しようと思っています。


永遠のアイドルとして、一人の女性として、山口百恵の魅力というのは知れば知るほど「論より証拠」 


そのー魅力は永久に尽きない。


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Comments 2

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ochasukineko  
タイトルなし

こんにちは。
こちらの記事で最初にビートルズについてのことを読みながら「アレッ?」と最初にすぐ思い浮かんだのが「蒼い時」の言葉でした。
きっとその後変わったのでしょうね(^w^)と微笑ましく思っていたら、「将来の旦那様の影響で・・」というm-ponさんの言葉♪
確信しました(^^)そう、同じことを思ったのでしょうと、「and I love her・・・」
ですよね?(^^)

2021/10/19 (Tue) 09:53 | EDIT | REPLY |   
m-pon5
m-pon5  
Re: タイトルなし

> ochasukinekoさん
コメントありがとうございます(*^-^)

やっぱりochasukinekoさんもお気付きになったんですね( *´艸`)
『蒼い時』の中、お二人が結ばれたときを連想させるあの日に流れていたビートルズのand I love her…♡あの下りはいちばんドキドキする場面でしたね~

引退間際にも百恵ちゃん自ら作詞で『思い出のストロベリーフィールズ』という明らかにビートルズへのオマージュのような曲を歌っていましたから、きっとこの対談後、バンドやってる友和さん、宇崎さんら大勢の方たちから、少女から大人へといっぱい吸収していったのでしょうね。そう思うとおっしゃる通りほんとに微笑ましいですよね。
それにしても自分が16のとき。大人相手にこんなに自分の言葉で表現できてたかしら??と思うと百恵ちゃんと比べちゃいけませんが、穴があったら入りたい気持ちです~(;'∀')

2021/10/19 (Tue) 21:52 | EDIT | REPLY |   

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