「トッツィー」BSレストア 全米歴代ベストコメディ2位!最高の名作喜劇 ダスティン・ホフマン

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BSプレミアム 明日、6月7日 21時 夜から放映されます。

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『トッツィー』

監督シドニー・ポラック
主演 ダスティン・ホフマン ジェシカ・ラング テリー・ガー ダブニー・コールマン チャールズ・ダーニング
音楽 デイヴ・グルーシン
1983年 米 コロンビア ピクチャー 


【解説】
俳優マイケルは向こう気の強さからニューヨーク中のプロデューサーを敵に回し、さっぱり仕事が回ってこない。窮地に立ったマイケルは、女装し“ドロシー”と名乗ってオーディションに出場、見事大役を勝ち取る。すべてがトントン拍子に進んでいたが、共演者のジュリーを好きになったことから思わぬ展開に…。 アカデミー賞9部門にノミネートされ、ジェシカ・ラングが助演女優賞に輝いた傑作。


AFI全米歴代コメディ映画 2位
2011年 ABC オールタイム ベスト・イン・フィルム グレイテストムービー視聴者投票 喜劇部門 5位



彼は、女装して成功するために女になった。彼は女装することにより、ほんものの男になった。


最高のベストフィルムここにあり!!


なんども見ているので、あえてレビュー点数はつけないけれど、間違いなく100点に近い90点代をつける名作。


完璧な脚本。多彩な魅力ある脇役たち。愉快なラブ・コメディ、時代をきりとった喜劇として、風刺劇としても、どの角度から切りこんでも、可笑しくて、ほろりとさせる。ラストの清涼感の余韻とともに愛さずにいられなくなる作品。それが「トッツィー」なのだ!


主人公はマイケル・ドーシー(ダスティン・ホフマン)39歳。


かれはNY暮らしを続け20年。役者。舞台仲間に演技指導もする。それなりに尊敬も集める俳優だが、いかんせん、こだわりが強すぎるゆえ一般受けしない。オーディションにも落ち続けバイトで食いつなぐ。おなじく売れない脚本家ジェフ(ビル・マーレ―)と共同生活。企画をねるものの、とにかく資金がない…。


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オーディションでも、口うるさく議論を展開するマイケルは、いつしか業界の演出家からも敬遠されがちな身に。


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エージェントのジョージ(写真向かって右 なんと監督のシドニー・ポラックが出演!)に相談するも充てにならず。マイケルが演技指導をしている気心しれたサンディも (写真中央テリー・ガー)テレビ出演の機会を得ようと、日夜オーディションを受けまくる日々。


…そんなとき、ひょんなことから意外な展開に、、、!! 


大人気「昼メロ」ドラマのオーディションをイメージが違うと落とされたと泣き喚くサンディ。それを知ったマイケル。それまでのすべてのことに頭にきていた彼は決心する。「これこそ、オレが女だったらやれる役なんだ」!と。一発促進思いつき!


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マイケルはドレスを着て入念なメイクをほどこし、ついに「女優 ドロシー・マイケルズ」として生まれ変わる。


昼メロドラマ「病院物語」の官財人。エミリー・キンバリー役を、女装によってつかみ取ったマイケルは意気揚々と名演に挑む!


歯に着せぬ率直な物言い。いままで女性たちが言いたくても言えなかった不満、不平をドラマの中でも、楽屋でも、ドロシー節を発奮!しかもー強さだけでなく理知的な知性まで滲ませるものだから、トッツィー人気はさらに大爆発!


ここから物語は侃々諤々。お腹が止まらなくなるほど笑えるシーンもいっぱい。男になったり女に戻ったり?いいえ、女から男にかえったり。もはや、こうなったら、性別なんてどうでもいいのだ。


そんなハチャメチャな経緯へ経て成功したマイケル。しかしーある女性に惹かれることをきっかけに、いまの自分自身を見つめなおすことになってゆく、、、。


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理由は、、おなじ「病院物語」で看護婦役として出演しているジュリー(ジェシカ・ラング)に、一目見た瞬間から恋におちてしまったから。


女ドロシーとして彼女に温かく節度をもち接しているマイケルだけれど、ほんとうは友達ではなく、ひとりの男性として認めてもらいたい。だが、いまの状況で、それができるはずもない。マイケルの恋心は一途なもの。同時に複雑なものへと変化する。


役者を目指す人間たちのドタバタ劇としても最高。だけれど「男と女」として。また男の強さ。女の弱さとは何か、そんなメッセージも然り。


マイケル=ドロシーの戸惑いを見ていると、性別の違いなど関係ない。単なる一人間として恋する切なさ、純粋な可笑しさが感じ取れる。作品がもつ人間喜劇としての魅力があふれている。


ストーリーを彩り、脇を固める俳優たちが、これまたサイコー。メンツがクレジットで流れるだけで「プッ」と吹き出しそうな顔ぶれが揃っているのも見どころなのだ。


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(左) タブニー・コールマンは「9to5」でジェーン・フォンダたちに苛め抜かれたお調子者上司。ここでも、ジュリーにセクハラまがいで付き合うディレクターに扮しているが、ドロシーにピシャリとやられる様は気持ちイ~イ。どこか憎めないナイスな中年役。


(中央) チャールズ・ダーニングは、映画好きなら顔を見るだけで「大好き」と叫ぶファンも多いとでしょう。とにかく、ごつい身体とそれでもどこか憎めないコワモテのキャラクター。「スティング」「告白」「シャーキーズ・マシーン」など、いとまがない活躍ぶり。


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チャールズ・ダーニングは「トッツィー」でも最高におかしくキュート。爆笑場面を生み出してくれた。


彼が演じるのはジュリーの父レス役。娘に恋焦がれるドロシー=マイケルの気持ちもつゆ知らず。彼をホンモノの女性だと思い込むレスは、ドロシーにメロメロ~いまにもキスする勢い。トロ~ンとした目でドロシーを見つめる(笑)それに気付いたマイケルの必至の逃げ形相に可笑しさがもう~止まらない。「オレは男だっちゅーの」←マイケルのこころの声w


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同居人ジェフ演じるビル・マーレイ。このあと「ゴースト・バスターズ」なとでブレイクし、いまや一流俳優。無表情のとぼけ感がお腹よじれるくらいイイ!!


マイケル 「いいか、ジェフ。電話には出るなよ。ドロシーが男と同居していると思われたら困る」


ジェフ 「ああ…」


マイケル 「あ、ちょっと待て!仲間のサンディからかかってきらたオレは出るよ。風呂入ってることにしてくれ。スカートを脱がなきゃならないんだ」


ジェフ 「…あのさ、オレたち、なにやってんの?」 爆


ードロシーの災難?は続き。映画「ポリス・アカデミー」のラサード長官でお馴染み、ジョージ・ゲインズ演じる昼ドラの老院長にまで求愛される始末。断るとジェフとの共同アパートにまで入り込まれ押し倒されるハメに。女性であることの居心地の良さは通り越し、こんな仮の姿につくづく嫌気がさしてゆくマイケル…。


主人公演じるダスティン・ホフマンは、地のまま「役者」を演じる楽しさを画面にパワーいっぱいで表現してくれる。


名優といわれる彼だけどートッツィー役には毎回、3時間のメーキャップをほどこした。女性になるゆえ発声法がいちばん難しかったというほど、それまでの役柄とは異質なもの。一見冴えない中年から、ものの見事に魅力的な中年女性ドロシーに変貌したのだから素晴らしい!


最初はなんだか違和感のある顔も、「ああ、こんな女性。よくアメリカの街角を歩けばフツウにいるよね」次第にそう思えるほどに母性と強さ。なんでも相談にのってくれそうな包容力まで兼ね備えているときたら、性別関係なく惚れてしまう。


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だから、、、華やかなテレビ業界で、ときに孤独を感じ、シングル・マザーとして生きているジュリー(ジェシカ・ラング)が、ドロシーを慕ったのも納得なのだ


どのシーンもチャーミング。けれどm-ponがいちばん好きなシーン。それはドロシーが、ジュリーの頼みで一人娘であるベイビーを伴い田舎にある彼女の農場で休暇を一緒をすごす場面だ。


テレビ界の喧騒から逃れ、子供を慈しむジュリー。それを女性ドロシーの姿で、心の中は男性であるマイケルが優しく包み込む。美しい風景とともに、彼がこころから彼女に惹かれ、男として彼女を愛していることに気付いてゆくシーン。


PVのような淡い色彩と音楽。向かい席のあるブランコにゆられ。さすが「追憶」「愛と悲しみの果て」ポラック監督は恋愛映画を撮るのに長けているなあと思う。


ジェシカ・ラングは、この作品で助演女優賞を経てさらに大女優になっていったし、それを確信させるような美しさと繊細な演技を見せ、映画のもうひとつの軸になっている。身体の線から、ふわふわのブロンドまで、とにかくセクシー。


また同時に助演女優賞にノミネートされ、惜しくも受賞こそ逃したものの、マイケルの親友であり一夜を共にしてしまう、チャーミングな女性、サンディをコミカルに演じたテリー・ガーも、これまたバツグン!


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ヒューマン・ドラマでもありラブ・ロマンス。豪華な役者たちの絶妙な演技に酔いしれる


ストーリー以外にも、アメリカ人がとれだけ昼のソープ・オペラ(メロドラマ)を愛しているか。どんなにキャリアがあってもすべてはオーディションありき。簡単には映画どころかテレビドラマでさえ出演できない。実力ありきの米俳優社会も垣間見れて興味深い。


ドロシーが「自分はマイケルだ」と明かすクライマックス! 登場人物たちのそれぞれの驚き方がまたサイコー!


ポッカ―ン! ア然?! 腑に落ちた! などなど、見事な表情をどうぞ目を凝らして笑って泣いて堪能してください。


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ちなみに作品。テレビ初放映時は喜劇俳優の小松政夫さんが、ほんとうに見事なダスティン=トッツィーを吹替えで演じてくれた。字幕で見てよし、吹替えで見てよし。所有Blu-rayは永久保存版、宝物のひとつ。


音楽も名匠、デイヴ・クルージンとくるからたまらない。NY街並みに彼のスコアがこれ以上ないほど溶け込んで作品を引き立ててくれる。



「トッツィー」予告編と名場面。スティーブン・ビショップが歌う主題歌「 I MIGHT YOU」も全米トップ40大ヒットに。いまも8万件のイイねがつくほど愛されている名曲。


最後に、わたしが約20年まえにamazonに投稿したレビューが探したら奇跡的に残っておりました。


『サッパリだった役者が女装して女になることで (しかも相当に強い「女」) サクセス・ストーリーを叶えてしまうという物語。(中略) ただ女装して面白いだけではなく、女性差別、さまざまなことで軽視されている側の立場を応援する、メッセージもありスパイスが効いています。ギャグとしての面白さ。表向きは女同士の友情を築くべくジェシカ・ラングと仲良くしつつ、彼女に男として惹かれ、男のままの姿では、女のテリー・ガーとも付きあい、同性同士ではビル・マーレーと女装談義。あげくの果ては、ラングの父親に本気で惚れられる!(笑) それぞれが滑稽でおかしい。これはやはりホフマンの名演技を軸にほかキャスティングも素晴らしい。アメリカ歴代コメディ映画で「お熱いのがお好き」に次いで選ばれたのも当然の面白さです』


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80年代を代表する間違いなく傑作のひとつであり、映画史に輝く喜劇。


遠い記憶の彼方におさまってる方も、初めてご覧になられる方も、どうぞこの機会をお見逃しなく。


最強のヒロイン 『トッツィー』よ! 永遠なれ!






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Comments 4

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ギターマジシャン  
ダスティ・ホフマン

いわゆるカメレオン俳優という呼び方は、あまり好きではないのですが、ダスティ・ホフマンは、「卒業」「真夜中のカーボーイ」「パピヨン」「マラソンマン」「クレイマー・クレイマー」「トッツィー」「レインマン」と挙げていくときりがないくらい名作映画に出ていて、しかも、それぞれがまったく違う役どころという、アカデミー賞の常連ならではの実力を感じさせてくれます。

80年代の土曜日の夜は、ひょうきん族を見て、そのままつけっ放しのテレビでゴールデン洋画劇場が始まるという流れだったので、「トッツィー」は、たまたま見たのですが、小松政夫の吹き替えが、電線音頭のコメディアンの人とは思えないくらいにダスティ・ホフマンに合っていて、女装の際と普段との使い分けも見事で、コントをやる人はドラマも声優もこなせるんだなあと感心して、チャンネルを変えずに最後まで見た記憶があります。

音楽担当のデイブ・グルーシンは、自分にとっては、ギタリストのリー・リトナーの相棒というイメージでしたが、もともと映画音楽を手掛けていたようで、同じダスティ・ホフマンの「卒業」にもS&Gと共に参加したり、後年の「恋に落ちて」や「恋のゆくえ」の頃は、あちこちから、この手のデイブ・グルーシンっぽいピアノの響きが聴こえてきました。

リー・リトナーのデビューアルバムで、デイブ・グルーシンがセルフカバーしたのが「コンドルのテーマ」で、その映画「コンドル」は、ロバート・レッドフォードが主演だからと友人に誘われて映画館で見ましたが、サスペンスでいて社会派の要素も含んでいたので、中学生の自分には消化しきれないストーリーだったので、この歳になって見返せば、また違う感想なのかと思っています。

「コンドル」には、殺し屋の役で、マックス・フォン・シドーが出てきますが、あれ、この人って、「エクソシスト」で神父を演じたばかりに、呪われて死んだんじゃなかったっけ?と、当時のデマ情報にも振り回されていた中学生でした。
(今回も、どんどん脱線してすみません)

2021/06/06 (Sun) 21:03 | EDIT | REPLY |   
m-pon5
m-pon5  
Re: ダスティ・ホフマン

>ギターマジシャンさま 

70年代&80年代ホフマン出演作は外れなしという感じで見応えある作品ばかりでしたね!パチーノもデ・ニーロも…主演してる映画はなにはともあれ見なきゃという感じ笑 しかも期待を裏切らない。

有名人の吹替えは当たり外れが大きい。けれど小松さんは「トッツィー」=ダスティンは見事。字幕でみたら声質まで小松さんに似ていて。喜劇の基礎がちゃんとできてる小松さんだからこその名吹替え芸だったんだろうなあと、天国の小松さんに心から「ありがとうございます!素晴らしかったです」って伝えたいです。

グルージンはリー・リトナーの相棒でいらしたんですね。勉強不足ではじめて知りました。都会的でオシャレなスコアがサイコーですよね。「恋におちて」「恋のゆくえ」、、あの華やかな時代を彩ってくれました。

「恋におちて」グルーシン完全サントラ盤。数年前に世界限定1000枚!(少なすぎます~)でリリースされ、あのスコアが大好きだったものですから欲しくて欲しくて…。けれどアッという間に「売り切れ」~~涙、涙。いまは一万~二万の高値がついていて購入できないままで。いつか手元においてたっぷり聴きたいです。コメントありがとうございます。

2021/06/08 (Tue) 11:44 | EDIT | REPLY |   
AKISSH  
トッツィー

6/7にm-pon5さんも見られたのですね。
ダスティン・ホフマンは、多分、一番好きな俳優なのですが、こういう少ししょぼくれた男をやらせると最高ですね。
その中でも、『トッツィー』は凄く好きな作品なのですが、B級の色物映画だろうけど私はとっても好き。と、m-pon5さんのこの記事を読むまで思っていました。

そんなに高い評価を受けているのですね!
だって、底抜けに面白いもの。
チャールズ・ダーニングとの間抜けなやり取り、最高ですよね。
でも実はこの映画のテリー・ガーが大好きなのです。可愛さ炸裂でした。

2021/06/13 (Sun) 12:21 | EDIT | REPLY |   
m-pon5
m-pon5  
Re: トッツィー

>AKISSHさま

>テリー・ガー

わーAKISSHさん、女性のご趣味がグッドです~♪
キュートでカワユかったですね!
トッツィーが、じつはマイケルだと分かった瞬間。彼女が「キャー!!」と顔を覆うリアクションがおかしくて笑 チョコアイスやチョコ系お菓子に目がないっていうキャラも可愛らしい。ジェシカ・ラングとのダブル助演賞候補でしたけれど、テリー・ガーにも助演賞あげたかったです^-^

チャールズ・ダーニングもサイコーでしたネ! 
最後男になったマイケルとBarで隣り合わせになった会話のやりとり…もう爆笑名作と語り継がれる作品は要所のキャストもすべてピタリとはまっているのがあとから見ても奇跡のよう。「トッツィー」を見るとつくづくそう思います。おっしゃるとおりなんど見返しても笑えますものね♪

このころのホフマンの演技はほんと神がかり的でしたね。
数年前に彼がエマ・トンプソン共演し熟年の恋を描いた「最高の人生の描き方」という作品も味わい深くとっても良かったです♪AKISSHさんもぜひぜひ機会ありましたら♪

AKISSHさまのコメントで、ますます「トッツィー」愛が深まっていくような気持ちです。ほんとうにコメントありがとうございます。

2021/06/14 (Mon) 16:51 | EDIT | REPLY |   

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