「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」衝撃と震え。アカデミー賞最有力の原作本のスゴサ
『ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ』トマス・サヴェージ著(ストーリー)1920年代、モンタナ州。快活で賢い兄フィルと地味な弟ジョージは牧場を共同経営する裕福な兄弟。ジョージの前に不幸な初婚を経たローズが現れ、二人が結婚したことで、家族に亀裂が入ってゆく。露わになる本心、剥き出しになる人間の弱さ、立ちはだかる西部の論理。そして物語は、衝撃の結末を迎える!美しい大自然のなか、アメリカ社会のタブー、飲酒・人種差別...
「春にして君を離れ」アガサ・クリスティー 封印していた過去の扉を開いていく怖さ
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]価格:990円(2022/2/28 23:09時点)感想(27件)『春にして君を離れ』 アガサ・クリスティーこんなに恐ろしい小説はそうそう、ない。読んでいくうちに、差し迫ってくる心理的な恐怖は比類なきものでした。数年前に、本好きな友人に「こんな心理的にコワい小説はないよ。絶対読んでみて」と言われ、、クリスティーは「そして誰もいなくなった」「オリエンタル急行殺人事件」...
『暗幕のゲルニカ』 原田マハ ピカソの絵画をめぐる人々と、その思い
暗幕のゲルニカ原田 マハ 新潮社 2016-03-28売り上げランキング : 4767Amazonで詳しく見る by G-Tools反戦のシンボルにして20世紀を代表する絵画、ピカソの“ゲルニカ”。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、忽然と姿を消した…。大戦前夜のパリと現代のNY、スペインが交錯する、華麗でスリリングな美術小説。 ピカソの大作画「ゲルニカ」を軸に当時のスペイン内乱、世界大戦、ナチスに絵画と...
「緑色の女」 アーナルデュル・インドリタソン 恐ろしくも悲しいアイスランドのサスペンス
「緑衣の女」アーナルデュル・インドリタソン男の子が拾った人間の骨は、最近埋められたものではなかった。発見現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近には英米の軍のバラックもあったらしい。封印されていた哀しい事件が長いときを経て捜査官エーレンデュルの手で明らかになる。CWAゴールドダガー賞・ガラスの鍵賞を受賞。世界中が戦慄し涙した究極の北欧ミステリ登場。 わたしに「アイスランド」という国にまで興味をもたら...
バラカ 桐野夏生 早くも今年の最高傑作か
バラカ桐野 夏生 集英社 2016-02-26売り上げランキング : 38910Amazonで詳しく見る by G-Tools 今、この時代に、読むべき物語。 桐野文学の最高到達点! 震災のため原発4基がすべて爆発した!警戒区域で発見された一人の少女「バラカ」。ありえたかもしれない日本で、世界で蠢く男と女、その愛と憎悪。想像を遙かに超えるスケールで描かれるノンストップ・ダーク・ロマン! 桐野夏生が2011年夏から4年にわたって、危機的な日本と並...